なるほど資産運用
将来に備えての蓄えをしていますか?
外貨建てで資産を保有することの大切さ、またその際のポイントについて、ファイナンシャル・プランナーの廣澤知子先生にお話しいただきました。
皆さんはご自分の将来についてどのように感じていますか?
雇用形態が変わりつつあり、少子高齢化が進む日本で、いつまで働けるのか、給料は上がるのか、退職金は受け取れるのか、老後に年金は受け取れるのか…? こうした経済的な不安を感じる方は多いです。
厳しいようですが、これからは国や会社に頼ることなく、自分で準備していくことで不安を取り除く必要があります。自己責任の時代ということですね。
さて、そのためにも知っておくべきことがいくつかあります。
まずは今後の人生でどれくらいお金が必要なのかを知ること。
自分自身のライフスタイルを見直して、年間どのくらいお金を使っているのか、必要なのか、人生ではいつ、どれだけ必要なのか…等をよく考えてみましょう。年間収支と貯蓄額を把握することは不安解消につながるとも言えます。自らを知ることが第一歩です。
その上で必要なのは、お金を増やす術を知ることです。3つしかありません。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 運用する
1.は資格取得や昇進(昇格)、転職などの結果が出るまでは時間がかかるかもしれませんね。
2.は無駄遣い、無駄な保険などはないか、通信プランは見直せないか等々家計チェックすることで比較的即効性があります。
そして3.は「お金にお金を稼いでもらう」ものです。実は効率的、かつ長い目でみると大きく資産形成に貢献してくれる方法ですが、残念ながら敬遠してしまう方も。
そこで3.についてもう少し掘り下げて行ってみましょう。
資産運用を行うにあたってはまず下記を知ることです。
- 「リスク」と「リターン」
- 「投機」と「投資」の違い
- 再投資・複利の効果
リスクは取りたくない、と思うかもしれませんが、リスクがなければリターンも得られないものなのです。
他ふたつについては追々説明していきますね。
日本に住んでいるし、海外旅行の予定もないし…と資産全てを円の預貯金にしていませんか? それではこの超低金利下ではお金は増えてくれません。
何かしらのリスクを取ることで、相応のリターンを得られるようにする…ただし、なるべくリスクは小さく抑える工夫もする…これが運用の基本です。
その基本に沿って、値動き等の異なる金融商品を組み合わせることによってリスクを小さくする効果を狙う方法が「分散投資」です。日本円だけではなく、外貨を資産に組み入れることによって、円資産だけより、高い利回りが期待できます。
為替リスクは発生しますが、「円安」になれば、金利以上の大きな利益にもつながります。
長い目で見て、日本円の価値がどのように変動しても、外貨を保有していることによって資産全体の価値は大きく損ないにくくなります。
これらは為替の仕組みを知ればより深く理解できますので、次回説明しますね。
- 今回のポイント
- 今後は誰しも自分自身の投資・運用が必要になってくること。
その際には日本円だけではなく、「分散投資」の一つとして外貨も資産として保有すると効果があること。
- 筆者プロフィール
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廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
慶應義塾大学経済学部卒。シティバンク東京支店でエマージング・マーケット、金融法人向けの外国為替のセールスなどに従事。独立系FP会社にてFPとして活動した後、(株)マネックス・ユニバーシティの設立に参画、個人投資家の啓蒙に努める。独立後は各種コラム連載、セミナー講師、雑誌・TV出演などで活躍中。初心者にやさしい解説には定評あり。著書:『金利をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)ほか
(社)日本証券アナリスト協会検定会員、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士