ああ、勘違い! 外貨預金は金利だけで選ぶな!
外貨預金の金利は、各国の金利水準に基づいて設定されます。
円預金よりも高い金利の通貨もあるため、金利は外貨預金の魅力の一つでもあります。
みなさんも「年利〇%!」といった広告をよく目にするのではないでしょうか。
ところで、「年利」を正しく理解していますか?
「年利」とは、1年間預けた場合にもらえる利息から計算される利率のこと。
つまり、1年より短い期間での預け入れの場合、利息はもっと少なくなります。
年利5%という高金利でも、1ヶ月の預け入れだと実質的な利率は0.42%になってしまうのです。
また、外貨預金には為替手数料がかかります。
最終的な運用の成果を考えると、コストが安い方が有利ですよね?
受け取れる利息額と、支払う為替手数料のバランスがとても重要になるのです。
下記の表をご覧ください。
パターン1 | パターン2 | |
---|---|---|
預入期間 | 1ヶ月 | 1年 |
金利 (年利率) |
5.00% | 0.50% |
実質的な利率 | 0.42% | 0.50% |
満期日の利息額 (税引前) |
1,000,000円×0.42% =4,200円 |
1,000,000円×0.5% =5,000円 |
為替手数料 | 1通貨あたり10銭 ▲833円 |
1通貨あたり5銭 ▲417円 |
利益 | 3,367円 | 4,583円 |
この例からもわかるように、実質的な利率や為替手数料によっては得られる利益は少なくなります。パターン1のように、年利が高くても預入期間が短いと、もらえる利息が少ないだけでなく、為替手数料が割高となってしまうのです。
外貨預金は、表面的な金利だけではなく、「実質的な利率がどれくらいになるのか」「コストはどれくらいかかるのか」をあわせて考えながら、預け入れをするのが得策といえるでしょう。
※預入期間中の為替レートは、変わらないことを前提にしています。1米ドル、120円で計算しています。
※上記試算は一例であり、適用金利、為替手数料、預入期間により、結果は異なります。